代表メッセージ

これからの物流業界と
見つめ直すべき安全性。

チューバンの始まりは
瓦の製造でした。

中播運輸工業有限会社は始めから運送業に携わっていた訳ではありません。初代代表・櫻井敬次が昭和26年に深志野で創業、当時は瓦や鉄工の製造を生業としていました。そんな我々のもとに舞い込んだのが同じく鉄工の製造を行なっていた親族からの運搬の依頼。それが昭和38年のこと。それから約60年もの長い時間をかけて、今の中播運輸工業があります。

新たな挑戦に対し
立ち塞がる時代の壁。

しかし、全てが順調だった訳ではもちろんありません。運送業だけではやっていけない時だってありました。近くの工場のクレーン作業を受け持ったりと本業以外の仕事をやっていたことだってあります。中でも一番大きな壁として立ちはだかったのは、我々だけでは抗うことのできない“時代”。事業開始当初はまだ高度経済成長前の日本。交通の規制はおろか、道路だって今と比べればまともに整備されていません。そんな中で荷主様の大切な荷物を目的地まで安全に届けることは、今では考えられないほど難しいことでした。

今があるのは自由の中でも
ブレる事なく有り続けた
自律した安全に対する強い思い。

運送業・建設業にとって安心・安全を第一に考えることは当たり前。規制も安全を第一に考えて定められるモノ。今でこそ厳しくなり、活動の幅を制限してしまっている規制ですが、なければ各々で安全の基準を定めなければなりません。抑圧も制限もないFreedomの中ではなく、制限・規制の中で掴み取るLibertyの方がかえって生きやすいように、規制がない事が活動の意思決定を鈍化させてしまうことだってあります。 我々中播運輸工業はそんな時代の中を、自らで安全について考え、律し、行動することで乗り越えてきました。あの時の“安全”の意志は今もなお受け継がれ、全社員へと広がっています。誰かが決めた安全基準ではなく、それを上回る我々独自の安全基準を。満たすのではなく超える。我々のスローガン「SAFE transport」はその並々ならぬ安全への強い思いとプライドをストレートに表したモノ。これこそが厳しい時代超えてずっと愛されてきた理由なのだと私は思っています。

そんな私たちの前に
幾度となく立ち塞がる 時代の壁。

厳しい時代を乗り越え、高度経済成長を経て、やっとの思いで軌道に乗った中播運輸工業。ダンプトラックで運ぶ際に便利な自動シート掛け装置「コボレーン※1」の製造を行なっていた事業部を分社し、本格的に運送業として始まりだした頃に、またしても大きな壁が立ちはだかります。それはまたしても時代。かつてとは裏腹に今度は規制が我々を苦しめます。予てより自社内で独自に築いていた安全基準。道路も整備されていない中でも安全に荷物を届けることが出来るように築かれたモノ。もちろん、整備された道路において通用しないモノではありません。むしろその先を見据えた高度な安全基準でした。 けれども、それはあくまでも自社内で完結していたから円滑に事が運んでいただけの話。道路が整備され、道路交通法が明確に定まり、安全基準を国や自治体が管理するようになると話は変わります。今まで走ってきた道も、今まで運んできたモノも、ある日突然使えなくなってしまう。たとえ、今まで何も起こる事なく安全だったとしても。いかに優れた高度な安全基準を持っていたとして、それを証明することが出来なければ意味を為さない新たな時代。中播運輸工業にとって、敵はいつも時代でした。

そんな時代もいつしか
私たちを追うようになっていた。

しかし、逆に考えれば時代が我々に追いついたとも言えます。我々の高い安全基準が同業他社すべてにとっての安全基準になる。それは、社会の大きな進展になることは間違いありません。FreedomよりLiberty、規制があるからこそ進むべき先がより明確に見えています。我々はその可能性を信じてそれまで通りの思いを胸に進みました。

しかし、安心するにはまだ早い。
時代は今急加速している。

時は伝い、2011年、東日本大震災。そして来たる2020年、東京オリンピック。日本は激動の波の中を漕ぎ進んでいます。建設・建築の波が急加速するのに合わせて需要の増す建材とその運送。一方で反比例するかのように厳しくなる基準・規制。環境問題や車両制限令問題、労働問題など今までよりも考えるべきことが増えました。今後もこの流れが激化することが予測される中、より良い社会を築く先導者として生き残れるかは、変化に素早く対応できるか、個性ある企業モデルを持っているかに掛かっています。

チューバンが目指すのは
事故一つ無い完全安全社会。

創業から今年(2018年現在)で67年目、次の大きな節目は100年。まだまだ折り返して間もない我々中播運輸工業が今思うこと。それはやはり“安全”について。社会の安全を守るため、判断を国へ譲渡した我々から見て、今が当時思い描いていた未来かというと、そうではありません。いくら規制をしても、無くなりはしない交通事故。昨年(2017年)の営業用トラックの関わる死亡事故件数は270件※2。これは目標の値を上回っているとか昨年より減っているとかそういう話ではありません。事故をなくすために設けられた規制に従い動いた結果としてはあまりにも不甲斐ない残念な値。安心・安全は誰かに従っているだけで手に入るものではありません。かつての我々が成し遂げたように、自らの意志で守り抜くもの。Libertyは自分で勝ち取るものです。

そのためにもチューバンは
これからもひとつ先の安全を心掛け
社会をより安全な世界へと
導いて参ります。

我々は完全な安全社会を目指し、今一度安全について見直す時代を迎えています。今まで敵だった時代、もう敵だ味方だと言っている場合ではありません。判断を国に任せきってしまったが故に緩んだ安全観念“アンゼンダイイチ”にもう一度意味を吹き込むように、「安全」「安心」に「安泰(Peace)」を加えた“3つの安”で、どこよりも、そしていつの時代よりも増した安全に対する思いで、従業員とお客様、ひいては社会をより良くするために活動し社会貢献をしていきたいと考えております。中播特注の金属削り出しのパイルを用いたポールトレーラーや、従業員の健康を守るSASスクリーニング検査※3に3年に一度の脳MRI検診※4など、些細な事で一見直接関係のないような事でも、安全に関わることには全力で取り組んでおります。このように微力ではありますが、これからも輸送での貢献を目指して参りますのでよろしくお願い致します。